第2回 いかなごのくぎ煮文学賞(2013年)入賞作品
【三田完・特別審査委員長総評】
今年も「くぎ煮文学賞」にたくさんの応募をいただきました。
応募作品の多さもさることながら、応募者の年齢も多岐にわたり、また、単に阪神地区だけでなく、日本各地から応募があったことに感動しています。
くぎ煮の味覚が全国に広がっている証しです。来年は海外からも応募があるのでは…などとひそかに期待しています。
今回は昨年にも増して優秀作が多く、とくに執筆に時間のかかるエッセイ部門に力作が目立ち、選考に大いに悩みました。
くぎ煮という食文化の魅力を文字でみごとに表現してくださった応募者の皆様、本当にありがとうございます。
- グランプリ大林悦子さん(兵庫県) 短歌:年ごとのくぎ煮の味もままならず 塩を引いたり糀入れたり
- 準グランプリ渡会克男さん(千葉県) エッセイ・作文:父母の味
- 特選(川柳)福島敏郎さん(神奈川県) 川柳:いかなごは 俺だくの字の 終電車
- 特選(川柳)枝松憲生さん(岡山県) 川柳:この釘は釘煮のような味がする
- 特選(俳句)木村達雄さん(大阪府) 俳句:源平の夢いかなごの踊る海
- 入選(俳句)茂木俊和さん(埼玉県) 俳句:いかなごの 猟師のすくう 手には春
- 入選(俳句)光畑勝弘さん(岡山県) 俳句:春風も 煮込んで送る くぎ煮かな
- 入選(俳句)宇野邦久さん(福島県) 俳句:二年越し 仮設にくぎ煮 届く春
- 入選(川柳)長峯福太郎さん(東京都) 川柳:佃煮と釘煮の違い知った嫁
- 入選(川柳)水谷あづささん(奈良県) 川柳:「春ですね」「くぎ煮ですね」と ご挨拶
- 入選(短歌)中原修さん(大阪府) 短歌:「大漁!」と子供が叫ぶおすそ分け 旬のくぎ煮がまだ温かい
- 入選(エッセイ)吉田誠一さん(神奈川県) エッセイ:黄色いお米といかなごのくぎ煮