第10回 いかなごのくぎ煮文学賞(2021年)入賞作品
「第10回 いかなごのくぎ煮文学賞」には過去最多の3,545作品の応募がありました。たくさんのご応募、ありがとうございました。審査の結果、以下の通り入賞作品を決定しました。
《三田完・特別審査委員長総評》
10回目を迎えた文学賞、3,545篇とこれまでで最多の応募がありました。応募数が多いだけでなく作品のレベルも上がって、本格的な文学賞になってきた印象があります。
今回はとりわけ詩部門とエッセイ部門に秀作が多く、審査していて目移りがするほどでした。また、働く女性の作品が眼を惹きました。
新型コロナウィルスのせいで在宅時間が増え、不漁のイカナゴに思いを馳せる時間が増えた、ということでしょうか。ジュニア部門への応募も頼もしいかぎりです。
たくさんの方たちが応募してくださったくぎ煮の世界─そこには、春光に潑剌と映える稚魚(しんこ)の輝きとともに、ほどよく苦味や硬さのある成魚(ふるせ)の味わいもあります。
《事務局より(山中勧・いかなごのくぎ煮振興協会事務局長)》
今年で第10回を迎えた「いかなごのくぎ煮文学賞」。全都道府県から過去最多の3,545作品の応募をいただきました。10回の総作品数は19,165。皆さんのご支援に感謝しかありません。いかなご漁は不漁が続きますが、その分「くぎ煮」についての思いはつのります。熱い思いを後世に語り継ぐための一助となれば幸いです。
- グランプリ三郎 さん(千葉県・男性・71歳) 詩:春の定期便
- 準グランプリチェミ〈1985〉 さん(埼玉県・男性・35歳) エッセイ:母のくぎ煮
- 郵便局賞粟野和美 さん(福井県・男性・73歳) 短歌:いかなごの くぎ煮送りて はげまさん コロナ禍一人 暮らす息子に
- 特選(短歌)洒落 さん(兵庫県・男性・58歳) 短歌:タッパーのくぎ煮つまめば想い出す手首に輪ゴム巻いてた母を
- 特選(俳句)関とし江 さん(埼玉県・女性・75歳) 俳句:腰で持つ鮊子の鍋母若し
- 特選(川柳)あーさまま さん(大阪府・女性・62歳) 川柳:母さんのくぎ煮一年予約待ち
- 特選(詩)中原賢治 さん(岐阜県・男性・67歳) 詩:くぎ煮の缶詰
- 特選(エッセイ)1年目のくぎ煮 さん(兵庫県・女性・30歳) エッセイ:おにぎり
ジュニア部門
- グランプリやきいも さん(兵庫県・女性・小5) 詩:ふりょう
- 準グランプリまりっぺ さん(埼玉県・女性・高2) エッセイ:母の「酔えん」
- 特選横溝麻志穂 さん(宮城県・女性・高1) 短歌:できたての春の光をありったけ集めいかなごぷるりと舌へ