第9回 いかなごのくぎ煮文学賞(2020年)入賞作品
「第9回 いかなごのくぎ煮文学賞」には2211作品の応募がありました。たくさんのご応募、ありがとうございました。選考の結果、以下の通り入賞作品を決定しました。
【三田完・特別審査委員長総評】
今回の応募作は総数2211点。拝見していて、昨年までとは異なる印象がありました。例年、もっとも応募が多く、いわば〝くぎ煮文芸〟の中核を担うのは川柳部門なのですが、今回は応募が少なく、諧謔の冴えもいまひとつでした。
一方、詩とエッセイ部門に読み応え充分の力作がたくさんありました。こうした傾向には、新型コロナウイルスが影を投げているのかもしれません。
しかし、もしかしたら…。私は夢のような想像をしています。人間たちがいっとき、コロナの不安に委縮しているあいだに、海の中はイカナゴが着々と増えているかもしれない、と。くぎ煮ファンの皆様、時節がらくれぐれもご自愛を。
【事務局より(山中勧・いかなごのくぎ煮振興協会事務局長】
今年のいかなご漁は史上最悪の大不漁。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で地元のくぎ煮関係のイベントの中止が相次ぎました。そんな中でも、「くぎ煮文学賞」は全国46都道府県から2211点もの作品を寄せていただくことができました。
重苦しい雰囲気が漂う今日この頃ですが、「くぎ煮」とご飯で栄養を十分にとり、来年も元気にお目にかかりたいです。
- グランプリ大阪たたみさん(大阪府・女性・45) エッセイ:お嬢様のヒ・ミ・ツ
- 準グランプリ三郎 さん(千葉県、男性、70歳) 詩:東風
- お手紙賞ジュンマル さん(兵庫県、女性、64歳) エッセイ:天使が舞い降りてきた
- 特選(俳句)室谷早霞 さん(大阪府、女性、57歳) 俳句:梅東風にくぎ煮の匂い纏はせて
- 特選(短歌)しんちゃん さん(埼玉県、男性、74歳) 短歌:地方紙の 皴を伸ばして 読みあさる くぎ煮届いた 箱の詰め物
- 特選(川柳)だいちゃんZ! さん(大阪府、男性、44歳) 川柳:無観客 くぎ煮を母は 手を抜かず
- 特選(詩)ゆみっちょさん(埼玉県・女性・21) 詩:すきな道
- 特選(エッセイ)かのんさん(東京都・女性・48) エッセイ:善い人
- 特選(エッセイ)イゆま館 さん(大阪府、女性、22歳) エッセイ:テーブルを囲んで
ジュニア部門
- グランプリざきじゅんさん(東京都・男性・小2) 詩:算数
- 準グランプリ大恵貴子 さん(兵庫県、女性、小4) エッセイ:きっと、いつか
- 特選水野結雅 さん(愛知県、男性、小6) 俳句:大口へくぎ煮飛びこむ春来たる
- 特選横道玄 さん(山口県、男性、小3) 短歌:へいにむかいボールをければぼくのはなくぎにのにおいをキャッチしている
- 特選小松崎葵 さん(埼玉県、女性、高2) 詩:母への誓い