第4回 いかなごのくぎ煮文学賞(2015年)入賞作品
【三田完・特別審査委員長総評】
花が咲き、鳥がさえずる心弾む季節に、くぎ煮を炊く香りが町に流れる……。今年も、文学賞に1114篇もの作品が寄せられました。
作品を読みながら、その味わい、季節感、親から子へと受け継がれる作り方など、くぎ煮が皆さんの暮らしに息づいていることを実感します。 まさしく、これは文化遺産の一種なのだと。
おそらく、毎年つづけて応募なさっている方も多いのでしょう、表現方法にもさまざまな進化が見られます。とりわけ川柳部門は応募が多かったので、今回は楽しい作品をいくつかいかなごのくぎ煮振興協会賞として選出しました。
【事務局より(山中勧・いかなごのくぎ煮振興協会事務局長)】
今年の応募総数1114作品のうち、740作品が川柳部門でした。川柳愛好家の皆さんの広がりを感じます。
今回は、その中からそのまま「いかなごのくぎ煮」の販売促進にも使えそうな3つの作品を「いかなごのくぎ煮振興協会賞」に選定させていただきました。
- グランプリ和やんさん(千葉県) 川柳:バラ色の 老後のはずが くぎ煮色
- 準グランプリ沼田敏恵さん(兵庫県) エッセイ:おふくろの味
- 特選(川柳)稲岡俊一さん(東京都) 川柳:定まらず ブレるくぎ煮の 味がいい
- 特選(俳句)鈴木進市さん(愛知県) 俳句:幼な日のくぎ煮の味や涅槃西風
- 特選(エッセイ)栗田里沙さん(兵庫県) エッセイ:題名なし
- 特選(エッセイ)村上昌子さん(兵庫県) エッセイ:幸せの匂い
- 特選(短歌)かすみ草さん (広島県) 短歌:小包の 隅にくぎ煮の 瓶二つ 心の隙間 埋めた故郷